海外でWWOOF体験!カナダの離島で自給自足の生活

みなさん、WWOOF(ウーフ)というシステムを知っていますか?

・できるだけ節約して海外に行きたい

・普通の旅行に飽きた

・語学の勉強がしたい

WWOOFはみなさんのこのような要望を叶えてくれる選択肢の一つです。

この記事では私が実際にカナダの離島・ソルトスプリング島で1ヶ月間WWOOFをやってみた体験談をお話します。

WWOOF (ウーフ)について

WWOOF (ウーフ)とは、
World Wide Opportunities on Organic Farms「世界に広がる有機農場での機会」の頭文字で、
お金のやりとりなしに人と人とを繋いで新しい友達をつくるしくみです。

有機農場を核とする ”ホスト” は「食事・宿泊場所」を提供し、そこを訪れて手伝いたい・学びたいと思っている ”ウーファー(WWOOfer)” は「力」を提供します。

そして両者は一緒に生活していくなかで「知識・経験」を交換する関係となっています。
その関係にお金のやりとりは一切ありません。

ここで、ウーファーは ”労働者” ではなくホストの ”家族のような友達” という関係性であることから、
家族のような気持ちで何をしたら相手が喜んでくれるかを考え、できることを相手にあげるという温かい気持ちをお互いに念頭に置きながら一緒に生活をします。

シンプルながら、とっても素敵なシステムですよね!

ざくっりとした歴史としては、
1971年にイギリスから始まり、オーストラリアやニュージーランドで発展したのち、現在では日本を含む世界60カ国以上にWWOOF事務局が設置されています。

ちなみに日本では1994年に北海道の札幌で誕生し、WWOOFジャパンとして活動を広げています。

どうでしょうか、ここまで聞いただけでも面白そうですよね!

WWOOF: World Wide Opportunities on Organic Farms

【体験談】カナダでWWOOFをやってみた!

さてここからは私の体験談です!

まず私はカナダへワーホリビザがおりてカナダに行くことが決まっていたので、ワーホリを始める前にカナダの離島でWWOOFをすることにしました。

WWOOFをした場所

私は今回「ソルトスプリング島」というカナダの離島で1ヶ月間WWOOFをしました。

バンクーバーとバンクーバー島の間に位置する島々はガルフ諸島と呼ばれていて、ソルトスプリング島はその中で一番面積が大きく人口の多い島です。

毎年島の人口の何倍もの数の人々が観光に訪れるほど人気の島だそうです。

位置関係はこんな感じ↓↓

また「オーガニックアイランド」、「オーガニックキャピタル」とも呼ばれているらしく、
今や日本でもよく聞く「オーガニック」や「スローフード」が流行する前からそれらを生活に取り入れているナチュラルアイランドです。

さらにこの島は「スピリチュアルな島」、「アーティストの島」とも言われているそうです。
たくさん名前がありますね。笑

また石英という鉱石も取れるそうで、私がお散歩した森にも石英がたくさんありました。
たしかにちょっと神秘的!!

行き方は、バンクーバーの街からツワッセンまで電車とバスを乗り継いでフェリーに乗って、さらに途中でフェリーを一回乗り継ぎます。

カナダに着いたばかりで荷物もたくさんあって、電車やバスの乗り方もわからなかったので一苦労でしたが、天気も景色も良くて楽しかったです!

そして長旅の末にようやく到着!

フェリー乗り場まではホストが車で迎えに来てくれていました。

私の受け入れ先のホストは6人家族+イヌ、ネコ、ヤギ、ニワトリ、アヒル、ウサギ、モルモットがいるお家で、毎日なかなか賑やかでした。

こうしてようやく1ヶ月間のWWOOF生活が始まったのでした!

1日のスケジュール・仕事内容

WWOOFerとしての滞在中の1日のスケジュールはこんな感じでした。

7:30 起床
  |  朝食・身支度
8:30 
  |  仕事
12:00 
  |  昼食
13:00 
  |  休憩(自由時間)
15:00 
|  仕事
日没
    夕食
    自由時間・就寝


毎日早寝早起きでとても健康的ですね。

仕事内容については大きく分けるとこんな感じ。

1.動物たちを庭に放す・戻す
ニワトリ、ヤギ、アヒル、ウサギ、モルモットを庭に放します。
最初は小屋に戻すのに少してこずりましたが、コツを覚えてからは動物たちもスムーズに動いてくれるようになって楽しかったです。

2.動物たちの餌やり、飲み水の補給
動物によって餌の種類や量が違うので間違えないように餌をやります。
飲み水も常に空にならないように補給します。

3.ニワトリ、アヒルの卵の回収
ニワトリは朝夕の2回、アヒルは朝だけ卵を産みます。
それらをある程度ためてから洗います。

4.イヌの散歩(朝・夕)
歩いて片道20分くらいのところに小さなビーチがあるので、そこまでお散歩します。

5.その日ごとに頼まれる仕事
動物小屋の改装・掃除、畑の手入れ、種まき、屋内の掃除etc…

日々動物たちをお世話していくとだんだん懐いてきてくれて癒されていました。
今でもたまに動物を見かけたら、あの子たち元気かな〜と思い出したりします。

この家のわんちゃんは特別な訓練を受けたセラピー犬でとても賢いのですが、
3歳なのでまだやんちゃな面もあって、オフのときは私の靴を咥えてどこかへ持って行かれたこともありました。

そして最初の方は舐められていてので(笑)、一緒に散歩に行っても急に座り込んでびくともしなくて、目的地のビーチまで行けなかったことも何回かありました。

でもホストに相談するときちんと犬との接し方を丁寧に教えてくれて、それからはちゃんとビーチまで毎日辿り着けました。

そして大人のヤギでメスが二頭、オスが一頭、双子の赤ちゃんが二組いるのですが、
大人のヤギは最初、ご飯をあげるたびに突進してきて怖かったのですが、慣れてくると扱い方もわかってきてスムーズにご飯をあげれるようになりました。

子ヤギたちからも最初は警戒されていてずっと逃げられていたのですが、慣れてくると犬みたいに私の膝に乗ってきたりしてとても可愛かったです!

そして一番熱い戦いを繰り広げたのは1羽のアヒル、通称 Mr.ダックです。

この子は生まれて最初に人間を見たので人間についていきます。

私は毎日このMr.ダックに追いつかれないように走って走って、勝手に追いかけられっこをして楽しんでいました。
どんなに遠くからでも、私を見つけた瞬間に全速力で走ってくる姿は今でも忘れられません。

全部でアヒルは4羽いるけどこいつだけついてきます。
アヒルが全力で走っている姿ってなんであんなに健気で可愛いんやろ〜。

という感じで、日頃触れ合うことのない動物たちとも触れ合って接し方を学んだり、
その動物達が産んでくれる卵を食べたりミルクを飲んだりすることで、ダイレクトに彼らの命のありがたみを感じました。

ホストファミリーとの時間

ホストファミリーと過ごした中で一番多かったのが食事の時間でした。

朝ごはんはたまに子どもたちが寝坊してきますが、平日の昼ごはんと夜ご飯は基本的には家族みんなで揃って食べていました。

夜ご飯の時は、その日1日のうちで感謝したことを一人づつ言って、お祈りをしてから食べていました。
こういった習慣も私にとっては初めてで、映画の世界みたいでとても新鮮に感じたのと、
毎日何かに感謝して夜ご飯を家族みんなで揃って食べるって素敵だな〜と思いました。

休日の食事は一緒に食べても食べなくてもどっちでもOKでした。
ただ朝ごはんは土曜日がクレープ、日曜日がワッフルなので、いつも楽しみにして食べていました。
こういった習慣も毎週の楽しみにもなるのでとても良いなと思いました。

またこの家族はベースの食事がベジタリアンだったので、人生初のベジタリアン生活でもありました。
でもとても厳しいわけではなかったので無理なく取り組めました。

平日の朝ごはんのブラウンシュガーとミルクを入れて食べるオートミールも結構好きでしたね。

ご飯は毎日ホストのお母さんが作ってくれていました。
この写真はほんの一部ですが、見ての通り食事のバリエーションは豊富で飽きることはありませんでした。

子どもたちはだいたい食べてすぐに庭にあるトランポリンをしに行くのですが、
大人たちは毎食後片付け前の15分間ほどパズルをする時間をとっているので、それに混ざっていました。

パズルなんて最近していなかったのですが、久しぶりにするとハマる!

どれも1000ピースほどの結構大きなものなのですが、3〜4日で1つ完成するくらいのペースでやっていました。
この時間でもさまざまな意見や情報交換ができて、楽しくて好きな時間でした。

休日の過ごし方

土日はお仕事が休みなので、ハイキングに行ったりバスで中心地の街に行ったりしました。

またちょうどイースターの時期だったので家族の集まりにもついて行かせて貰いました。

イースターって聞いたことはあるけどちゃんとイベントとして参加したことはなかったのですが、
私のホストファミリー達は親戚がバンクーバーから集まってみんなでロッジを借りて、そこで食事をしたり湖で遊んだりしていました。

子どもたちは本物の卵を食紅で染めて色や模様をつけたり、卵形のチョコを隠して探したりしていて、とても可愛かったです。

親戚の方たちも私のことをすぐに受け入れてくれて、なんならいつも家族を手伝ってくれてありがとうって、
なんだか本当に素敵な家族だなあと思いました。

こんな感じでWWOOFerの期間中は本当に家族の一員のように接してくれて、なんだかこんな家族の感じが久しぶりでとても温かくて楽しい気持ちでした。

ここまでが私の体験した1ヶ月間です。

ホストによってする仕事や食事などのライフスタイルは違うので、事前にホストと綿密に連絡を取ってすり合わせをしておくことも重要だなと感じました。

私が感じたWWOOFの魅力

実際に海外でのWWOOFを体験してみて、私が感じた魅力についていくつかにまとめてみましたので、少し細かくご紹介します!

①語学の勉強、異文化交流ができる
 これは海外でWWOOFを利用した場合には一番に感じるかなと思います。
 言語に関しては、一緒に生活をすることで意外と知らない単語や表現が生きた会話から習得できます。
 また日々の生活を通してその国の食文化や宗教文化なども体験することができました。

②自然や命の大切さ、尊さを体感できる
 頭ではその大切さはわかっているつもりでも、実際に自分で収穫した卵を食べたり、毎日世話をしているヤギから搾取したミルクを飲んだり、畑で取った野菜を食べることで、日々の食事に対する感謝の気持ちが一層強くなりました。
 人間はこれらの自然や動物たちと共存することで生きているんだな〜と改めて感じることができました。

③観光ビザでできる
 WWOOFはお金のやり取りが一切ないため観光ビザでの参加が可能です。
 日本人であれば観光ビザが簡単におりたり、申請の必要がない国もあるので海外でWWOOFをやってみたい!という方でも気軽にできるのではないかなと思いました。

④一味違ったローカルな観光ができる!
 もちろんWWOOFerとしての生活自体がとても貴重な体験なのですが、
 せっかくなら観光もしたい!となった時に、ネットで調べて出てくるようなところには自分で行って、ホストファミリーにローカルの人たちが行くような場所に連れて行って貰ったりすれば、いつもの旅行とはまた一味違うローカルな観光が楽しめんるんじゃないかなと思います。
 きっと海外でWWOOFをしようと考えている時点で普通の観光とは違う体験を求めているのかなと思うので、このメリットは大きいんじゃないでしょうか!

⑤お金を節約できる
 WWOOFでは食事と宿泊場所が提供してもらえるのでお金の節約になります。
 そのため、出来るだけお金をかけずに旅や言語学習がしたい!という人にはとても便利なしくみだなと思います。

⑥世界中に友達ができる
 ホストファミリーと仲良くなればWWOOFの期間が終わってもその関係が続けていけるし、ホストによっては二人以上のWWOOFerを受け入れているところもあるので、タイミングによってはさまざまな国籍の人と一緒に生活する機会もあります。
 そういった繋がりを広げていけば世界中に友達ができて、自分の人生の幅も広がるのではないでしょうか!

いかがでしょうか?このようにWWOOFにはたくさんの魅力があります。
実際にやってみることでこれ以外にもたくさんの魅力を見つけることができるかもしれませんんね!

【番外編】WWOOFを使った理由

ここからは番外編で、私がWWOOFを使った理由をお話します。

もちろん一番最初に述べたように、節約したり、ローカルな体験をしたり、語学の勉強もしたい!という理由もあります。

ただ今回私がWWOOFをしたのには目的がありました。

それは、ワーホリ前の準備をするということです。
具体的には家探しと仕事探しです。

それでは実際にやってみたちょっとした工夫を具体的にお話しますね。
大袈裟に言ってるけどそんなに難しいことをしたわけではないです。笑

今回の私の場合は、2023年にカナダでワーホリをする!というのが一番の目的でした。
そしてカナダへの入国の際にはワーホリのビザは既に持っていましたが、まだそれを使わずに観光ビザを使いました。

理由としては、カナダはフラッグポールという方法で入国後にワーホリのビザに切り替えることが可能だからです。
そのため最初に観光ビザでWWOOFを1ヶ月間させてもらって、その間に節約しながら仕事と家を見つけようと思いました。

※ワーホリの国によってはその国内で切り替えできない国もあるので要確認です!

なぜそう思ったかというと、オーストラリアでの初めてのワーホリをした時に仕事探しで数ヶ月を費やしてしまい、
その期間が無駄だったまでとは言わないですが、就労ができるワーホリのビザは1年間の期限付きなので少しもったいなかったなと感じたからです。

そのため今回のカナダでのワーホリでは1年間をフルで有効に使うために、最初に家と仕事を探す方法をWWOOFを組み合わせてやってみようと思ったのでした。

もちろん日々のWWOOFerとしての仕事や家族との時間は100%の力でやって、休憩や就寝前の時間にネットを使って仕事と家探しをしていました。

その結果無事にWWOOFの期間中で次の仕事と家が見つかりました!!
(※雇用主にはワーホリのビザに切り替えてから働く旨をあらかじめ伝えました。)

仕事探しではホストのお母さんが履歴書に私の名前をリファレンス(推薦人)として書いて良いよと言ってくれたり、家探しでも地域ごとの治安等についてもアドバイスを貰えて、まだ土地勘がなかったのでとても助かりました。本当に優しいですね。。

家を見てみないと不安という人もいるかと思いますが、最近はオンラインで内見させてくれる家もあるのでダメ元でも聞いてみるのが良いかなと思います!

仕事と家探しに関しては本当にタイミングと運もあると思っていたので、
見つからない場合はまだ観光ビザの期間内なのでまた違うホストを探すか、私のホストはまだまだいても良いんだよ〜と言ってくれていたので、延長させてもらおうかなと考えていました。

という感じで、今回私はこの方法をやってみたことで、WWOOFで自給自足の貴重な体験もしつつ、ワーホリに向けての準備もしっかりとできて、自分的には良かったなと思ったのでみなさんにもシェアしようと思いました!

ただ大前提なのですが、WWOOFの活動の意味を理解してそこに100%で向き合って出来る人だけが+αとして参考にしてください!

せっかく貴重な機会を与えてくれているホストファミリーに失礼のないように、そこはきちんとやってくださいね。

さいごに

ここまで自分で記事を書いていたのですが、やっぱりWWOOFって素敵!!
私はできれば将来自分の子どもと一緒にやりたい!と思っています。笑

日本でやったことある!という方も、是非一度海外でやってみるのもまた新しくて楽しいかもしれませんね。

ということで、今回は私のおすすめするWWOOFというシステムについての紹介と、実際の体験談を今回は少し写真多めでお送りしました!

みなさんにとって何か少しでも参考になれば嬉しいです!

最後まで読んでいただきありがとうございました。



 

カナダ
ちい
About me
ちい

カナダ・バンクーバーでワーホリ中。大学休学中にオーストラリアでワーホリ → 新卒で就職 → 2年4ヶ月で退職 → 神戸で友人とゲストハウス運営 → カナダへ(2023年3月〜)→ ブログに挑戦。カナダの情報をメインに、これまでの旅行記や地元大分県の魅力を発信!

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